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タルマーリーについて
2008年、渡邉格&麻里子が共同経営で、千葉県いすみ市で開業。自家製酵母と国産小麦だけでパンづくりを始める。そして、酒種をつくるための麹菌も自家採取し始めたことで、素材の栽培方法が発酵にあらわれる、つまり自然栽培(無肥料無農薬)の素材が一番良く発酵することに気づく。
2011年の東日本大震災と福島第一原発事故の後、より良い水を求め岡山県に移転し、野生の麹菌採取に成功。そして、ロール製粉機を導入し、地元産の小麦を自家製粉して材料に使い始める。
さらに、パン作りから得た技術を活かし、野生の菌だけで発酵させるクラフトビールを醸造するため、2015年鳥取県智頭町へ移転。パンとビールの製造販売、カフェの営業に加え、2022年からは一棟貸しホテルもスタート。
「パンとビールを作れば作るほど、地域が良くなっていく」
野生の菌による発酵を起点とした地域内循環を目標に、里山の恵みを最大限に活かした農産加工業に加え、豊かな食を楽しむ空間と時間を提供。自然環境と社会環境、両方の視点から持続可能な町づくりを目指す。
渡邉 格 / オーナーシェフ
Itaru Watanabe
1971年東京都東大和市出身。23歳で政治経済学者の父とハンガリーに滞在。食と農に興味を持ち、25歳で千葉大学園芸学部に入学。「有機農業と地域通貨」をテーマに卒論を書く。農産物流通会社に就職後、 31歳でパン修業に入る。タルマーリー開業後、野生の菌によるパンづくりを追求し、麹菌採取に目覚める。また、10代でパンクバンドに費やしたエネルギーが、起業後はDIY精神に発展。大工仕事を覚え、可能な限り自力で店の改装を行う。現在はビール醸造を手掛けている。著書に『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』(講談社)、共著に「菌の声を聴け」(ミシマ社)、「撤退論」(晶文社)。「腐る経済」が韓国でベストセラーに。台湾、中国、フランスでも翻訳され、国内外で講演活動も行っている。
渡邉 麻里子 / 女将
Mariko Watanabe
1978年、東京都世田谷区出身。幼少期から田舎暮らしに憧れ、環境問題に危機感を持ち、東京農工大学農学部で環境社会学を専攻。日本、アメリカ、ニュージーランドの農家や環境教育現場で研修し、食や農の切り口から環境問題に取組む道を模索。卒論テーマは「女性が農村で生きる可能性」。農産物流通会社に就職後、農産加工場に転職し、販売や広報を担当。タルマーリーでは、販売、企画、経理、広報、総務など、経営、マネージメントを担う。また1女1男の母として、田舎での職人的子育てを模索。共著に「菌の声を聴け」(ミシマ社)、撤退論(晶文社)。
2020年にまちづくり団体「智頭町やどり木協議会」を立ち上げ、地域資源活用型・長期滞在型の観光を実現するために活動中。
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